在ハイチ日本国大使 挨拶
平成30年1月4日

当館ホームページを御訪問・御覧いただきまして誠にありがとうございます。 平成30年(2018年)がスタートしました。今年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 ハイチ共和国では,昨年のジョヴネル・モイーズ大統領新政権発足(2月7日)後,急ピッチで国内改革が進められています。優先課題が設定され,経済社会面での改善,行政府・政府全体での腐敗への取り組み等,一つ一つが大きな課題ではありますが,積極的な取り組みを開始し,まもなく1年を迎えることとなります。小さい芽が出始めた分野や地域もあれば,これからも努力の継続投入が必要な分野・地域もありますが,いずれの面でも国際社会そして日本が,それぞれに前向きに関わり応援しています。 また,2018年前半は,ハイチがカリコム(CARICOM: カリブ共同体)の議長国を努めます。同議長国運営を通じて,カリブ地域におけるハイチの役割・位置づけを強化する機会となると共に,国内の整備におけるレバレッジとしていくことが想定されています。 昨年は,13年間続いたPKOの国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)が10月15日を持ってミッションを終え,より縮小され,任務を変えて同16日より国連ハイチ司法支援ミッション(MINUJUSTH)が設置されました。また,ほぼ時期を同じくして,ハイチではしばらくの間停止していた「ハイチ国軍」の再編成もありました。これは,主に施設部隊,輸送(空輸)部隊,医療部隊に重きを置いて,自前でも国内の各種支援(災害等),救援等ができるようにとの強い意志の表れと位置づけられる等,全体として,ハイチにおける安全面での取り組み,体制においても大きな変化の兆しが見受けられます。 なお,ハイチ国家警察等,警察力も含めて着実に増強がなされていると言えますが,一方で,首都圏を含め,街中における治安は直ちには手放しで改善されたとは言えない面も多々あります。 つきましては,ハイチに御在住の方々,そしてハイチを御訪問される方々に置かれましては従来どおりの危機管理意識と事前の情報収集に努めていただき,ゴルゴ13の忠告(外務省HP参照)にも目を通されて,安全で健康な御滞在を確保していただきますようお願い申し上げます。 在ハイチ日本国大使館では,引き続き,主に保健・衛生,教育,農業等,「人間の安全保障」に直結するような分野を対ハイチの優先課題として据えており,コレラ対策や防災等も視野に入れつつ, JICAハイチ支所と連携して各方面における対ハイチ開発協力・支援を進めて参ります。また,新政権の優先課題に沿って各方面とのパートナーシップを深化していけたらと考えております。 なお,ハイチに御滞在中の在留邦人の方々,そして,出張者の方,御旅行の方におかれましては,現在のハイチが,引き続き様々な課題の中で不安定な時期を通過中であると同時に,社会・経済的にも,特に弱者の方々が極めて厳しい試練に直面されていることにより,思わぬところで社会・経済面,そして治安面等に影響が及び得ることにつき十分に御留意されますようお願い申し上げます。 当館としましても,在留邦人等の方々の,日々の,そして益々の御活躍の前提としまして,安全と健康につき引き続き留意して参りたいと思います。 また,ハイチ新政権の各種開発・改革努力の状況下,我が国としても,これまで以上に日本とハイチにおける両国間の関係強化をはかりたく,また,引き続き「日本国」の魅力の発信等についても積極的に行って参りたいと思っております。 これらの前提としまして,各種情報共有と情報発信の面について,これからも御関係の皆様からの貴重な情報や御指摘をいただきつつ,当ホームページを上述の各種活動の一つの拠点として活用して参りたいと思いますので,今後とも日頃の皆様の御訪問,御支援そして貴重なコメント等いただけましたら幸いに存じます。 関連しまして,よりリアルタイム性と情報の多様化を確保すべく,昨年末から当館のFACEBOOKアカウントを開設いたしております。当館関連事業,各種紹介に留まらず,在留邦人・旅行者の方々への各種情報提供も念頭に情報を発信して参りますので,御参照の程よろしくお願いいたします。 最後になりますが,年初にあたり,当地に御在住の皆様と,日本や各国にて当国に御関係の方々のますますの御発展・御活躍をお祈り申し上げます。 館員一同,引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。 平成30年1月
在ハイチ日本国大使 八田 善明 |