在ハイチ日本国大使 挨拶

平成28年11月4日
  当館ホームページを御訪問・御覧いただきまして誠にありがとうございます。

 昨年9月に当地に着任し,1年以上が経ちました。
着任以来引き続き,ハイチ共和国では,大統領選挙をはじめとする政治的に極めて重要な時期を通過中です。

 日本国としましても,法の支配,そしてその秩序の頂点たる憲法秩序の全体を機能させるためには民主的に選出された大統領の存在と議会の健全な運営が不可欠と考えており,目下ハイチ政府によりこれらを確立すべく進められている同プロセスを支持し,支援しております。
 また,健全で活発な社会・経済生活は,安定的な政治運営と合わせてハイチの発展の両輪であるとの認識の下,在ドミニカ共和国JICA事務所及びハイチFOと連携しながら各種開発協力プログラムを実施してきており,教育・保健・食料分野を優先分野として協力を展開してきております。
 ハイチは,日本と同様に島国であることに加え,多くの自然災害の面においても似たような境遇にあります。2010年の大地震に加え,本年10月にハイチを直撃したハリケーン・マシューにおいては多くの犠牲者が出たほか,直接・間接に多くの被害者・被災者が今もなお復興に向け努力を余儀なくされています。
 とりわけ南西部の被害が甚大でしたが,他の北部,島,その他の地域でも被害がでています。被害は,個人家屋や各種生活インフラ,保健,教育インフラはもとより,ハイチにおける穀倉・牧畜地帯の壊滅的なダメージといった面にも及び,今後食糧自給面でもさらに厳しい状況となり,試練が続くことが予想されます。 日本国としましても,これから中長期にわたって,各国・国際機関と共に各種支援を実施し,ハイチの人々と連帯しながらこの試練を乗り切る努力の一助を継続して参ります。
 ハイチに滞在中の在留邦人の方々,そして,出張者の方,御旅行の方におかれましては,現在のハイチが政治的に不安定な時期を通過中であると同時に,社会・経済的にも,特に弱者の方々が極めて厳しい試練に直面されていることにより,思わぬところで社会・経済そして治安面等に影響が及び得ることにつき十分に御留意されますようお願い申し上げます。
 当館としましても,在留邦人等の方々の,日々の,そして益々の御活躍の前提としまして,安全と健康につき引き続き留意して参りたいと思います。

 今後,早期に選挙が実施され,新しい大統領の下の体制で,我が国としても,これまで以上に日本とハイチにおける両国間の関係強化を行って参りたいと願っております。
また,その間にも,引き続き「日本国」の魅力の発信等,積極的に行って参りたいと思っております。

 これらの前提としまして,各種情報共有と情報発信の面について,これからも御関係の皆様からの貴重な情報や御指摘をいただきつつ,当ホームページを上述の各種活動の一つの拠点として活用して参りたいと思いますので,今後とも日頃の皆様の御訪問,御支援そして貴重なコメント等いただけましたら幸いに存じます。
 
  最後になりますが,当地に在住の皆様と,日本や各国にて当国に御関係の方々のますますの御発展・御活躍をお祈り申し上げます。
 
  館員一同,引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
                                                                                               平成28年11月

                                                                                               在ハイチ日本国大使 八田 善明