2012年2月

 

1.GHESKIO-Institut des Maladies Infectieuses et de Santé de la Reproduction (IMIS)(Groupe Haitien d`Etude du Sarcome de Kaposi et des Infections Opportunistes)
住所:Bicentenaire, Port-au-prince
電話:509-2940-1413


 空港近く、国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)キャンプ近くにある「感染症及びリプロダクティブ・ヘルス研究所(IMIS)」。GESKIOはここで8年前から活動し、ここに米、仏、日本、ノルウエイ、オランダの援助を得て拡充計画を持っていました。しかし2010年1月12日の地震の後、崩壊したレオガンのシゲノ結核療養所から多剤耐性結核患者(MDR)の入院施設がここに移設されました。前回訪問したGHESKIOの入院部門です。Dr.Marcartur CHARLESにご案内頂きました。GHESKIOを支えるコーネル大学に留学され流暢な英語を話されます。
まず検査棟Labolatoire Rodolphe Mérieuxを案内されました。世界で臨床検査、研究を手がけるMérieux財団が寄贈し、1998年のスイス航空の事故で亡くなったRodolphe Mérieuxの名前を付けたそうです。結核菌培養はP3の部屋で行なわれ、液体培地と小川(卵)培地で培養を行なっています。薬剤感受性を調べ、向かいの部屋では遺伝子診断、HIV検査を行なっています。また別に一般臨床検査を行なう部屋も有り、検査技師は15名居るそうです。2011年には29315例の結核スクリーニング(スメア検査)、4223例の培養、1862例の迅速薬剤感受性試験(MTPDRplus),759例の遺伝子診断(Gene Xpert test、2011年5月より)を行い、その結果多剤耐性結核菌(MDR)を61例を検出したそうです。
次いで外来棟、コーネル大学の医師の名前を取りWarren D Jhonson Jr.Medical Centerと名づけられています。ここでは退院後の患者の追跡が行なわれています。またHIV患者1500名が通院しています。壁には「診療、研究、教育」の標語が掲げられていました。医師は8名、2名のコーネル大学からの研修生が居るそうです。
 次に外にでて入り口脇のテント村、金網で囲まれている入院施設です。現在53名の患者が入院して30%がMDR、10%がHIVに併発した患者だそうです。小児が3人、2歳児は母と一緒ですが11歳と13歳の子供は隔離されています。家族との面会は可能です。6~9ヶ月入院していて排菌が無ければ退院です。真ん中に医師、看護師のテントがありました。2010年2月から487例の治療を行い53例がMDRだったそうです。敷地の向こうにはコレラ治療センターもあるのですが、訪問時、患者は居ませんでした。

 

2.Dr.George BEAVOIR (整形外科医)
住所:#12,Rue Chavenne, Petion-Ville
電話:509-3257-0390/3558-2268

 大使館から車で3分の診療所、イスラエルに留学し整形外科を修められました。1986年にハイチに戻り診療所を開設、地震前はCDTI病院で手術を行なっていましたが、現在は近くのUnite Chirurgical(Clinique Lambert)で月6~7例の手術を手がけています。ここには移動式X線装置があり手術器具も預けてあるそうです。診療時間は平日9時から午後1時、ギブス処置はここで行ないます。その後は入院患者を見に行くそうです。火曜木曜は障害児施設Hospice Saint Vincinに行き障害児をボランティアで診察しています。ハイチでは子供のくる病が多く、特に台地であるアルティボニトでは乳製品を摂る習慣が無く、魚も摂らない、ビタミンD摂取が少ない為多いそうです。外傷に伴い脳外科を必要とする場合、Dr.Alix ELIEが良いと教えていただきました。

DR.Alix ELIE
住所:#13 Ruelle Berne
電話:509-2245-2260

 

3.Centro Hospitalier Hosanna
住所:16,Route de Belval, Leogane
電話:509-3770-8995/2228-0342

 ポルトープランスから1時間半、レオガンの町中に在る2003年設立の私立病院、12床の入院ベットがあります。医師は3人居ますがいつも居るのは一人です。レントゲンは撮れず、検査室は狭く設備も無く、尿と末梢血、マラリア検査(厚層、薄層)だけ昼12時まで行なっていて生化学検査は出来ません。午後、夜間は検査は出来ず、当直医1名だけになります。病室は二人部屋が基本ですが狭く古い部屋です。入院患者4人が点滴を受けていました。かつては分娩も行なっていたのですが国境無き医師団(MSF)が無料で分娩をする為妊婦が来なくなり閉鎖しました。また歯科診療室もあるのですが医師が居らずこれも閉鎖されています。診察日は250グルド(500円)夜間は500グルド、入院費は最初の24時間観察入院が750グルド、以降の入院費は1750グルドだそうです。不十分な設備、医療体制、たとえ救急であっても利用は憚れ、可及的にポルトープランスに戻ることが必要と思われました。

 

 
 
 

Copyright (C) : 2012 Embassy of Japan in Haiti  | 法的事項  | アクセシビリティーについて  | プライバシーポリシー