海外安全対策情報(ハイチ)1月~3月
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)2013年3月末現在のハイチ治安情勢は,平静を保っています。しかし,潜在的危険度は依然として高く,従前からの貧困問題に加え,2010年1月12日に発生したハイチ大地震後に設置された被災民キャンプに未だ35万人以上の人々が生活しており,キャンプ内での犯罪行為が問題となっていると同時に犯罪者がキャンプ内に潜んでいるとも言われています。 また,周辺の中南米諸国に比較すると殺人事件発生件数は多くはありませんが,2013年1月~3月のハイチ国内における発生件数は昨年同時期よりも20%増加しているとの情報もあり,予断を許さない状況です。
(2)ほとんどの事件は首都周辺地域で発生しており,また,強盗や誘拐については,無防備な外国人や富裕層ばかりでなく一般のハイチ人もターゲットとされ,場所や時間帯を問わずバイクや自動車で尾行し,交差点や通行妨害等により停車したタイミングを狙い襲撃する手口や,レストランや銀行等での待ち伏せ及び住居への押入り強盗等の手口による犯行がみられます。また,最近では車で旅行中に被害に遭うケースも散見されますので,注意が必要です。
(3)生活環境への不満に対する反政府デモが首都圏や主要道路において頻繁に発生しており,石やタイヤを燃やすなどのバリケードにより通行を妨害し,それを排除しようとする国家警察及び国連部隊との衝突により,興奮状態となった住民が投石等の過激行動をとる場合があり,歩行者や通行車両が混乱に巻き込まれるケースがあります。
2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)邦人被害
2013年1月~3月において,邦人被害は発生していません。
(2)強盗
2013年1月~3月の強盗事件の発生件数は昨年同時期に比べて減少しています。夜から早朝にかけて多く発生しています。
(3)殺人
2013年1月~3月の殺人事件の発生件数は昨年同時期に比べて増加しています。時間帯を問わず発生しています。
(4)強姦
2013年1月~3月の強姦事件の発生件数は昨年同時期に比べて減少しています。夜から早朝にかけて多く発生しています。
(5)その他事件
交通事故の発生が多く報告されています。特に市場開催日と開催時間帯の前後に多く発生していますので,移動する際にはその地域における市場開催日・時間を確認して下さい。
また,車上荒らしや置き引きの被害も報告されていますので注意が必要です。
3.テロ・爆弾事件発生状況
ハイチにおいてはテロ組織は存在せず,テロ・爆弾事件も発生していません。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
(1)邦人被害
2013年1月~3月において,邦人被害は発生していません。
(2)2013年1月~3月の誘拐事件の発生件数は昨年同時期に比べて減少しています。夜から早朝にかけて多く発生しています
5.対日感情
対日感情は基本的に良好です。
6.日本企業の安全に係わる諸問題
日系企業及び外国企業が当地において脅迫・破壊行為等の被害を受けたという例は,現在のところ当館では把握していません。
7.外国人が被害に遭った事件・事故の事案
・1月11日午後3時,南東県ジャクメル市において,現地人ドライバーが運転する自動車が崖下へ転落した。4人の外国人が同乗しており,乗員は全員死亡した。
・2月18日午後2時45分,西県ペチョンビル市において,国連警察職員20人を乗せた車両と公共交通機関車両との交通事故が発生した。職員の内1人は肩を脱臼し,病院へ搬送された。
・3月,西県ペチョンビル市内のレストランにおいて,国連女性職員が食事中,1~2分の停電があり,その際に財布と私物が入ったバックを盗まれた。
|