海外安全対策情報(ハイチ)7月~9月
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)2013年9月末現在のハイチ治安情勢は,平静を保っています。しかし,潜在的危険度は依然として高く,従前からの貧困問題に加え,2010年1月12日に発生したハイチ大地震後に設置された被災民キャンプに未だ28万人以上の人々が生活しており,キャンプ内での犯罪行為が問題となっていると同時に犯罪者がキャンプ内に潜んでいるとも言われています。また,周辺の中南米諸国に比較すると殺人等の事件発生件数は多くありませんが,医療機関の整備が不十分で,事故や事件に巻き込まれて負傷した際などには満足な治療を受けることは難しく,周辺諸国への緊急移送が必要となる可能性が高いので注意が必要です。
(2)ほとんどの事件は首都周辺地域で発生しており,また,強盗や誘拐については,無防備な外国人や富裕層ばかりでなく一般のハイチ人もターゲットとされ,場所や時間帯を問わずバイクや自動車で尾行し,交差点や通行妨害等により停車したタイミングを狙い襲撃する手口や,レストランや銀行等での待ち伏せ及び住居への押入り強盗等の手口による犯行がみられます。また,殺人事件等の犯罪における銃の使用率は66%に上ります。
(3)生活環境への不満に対する反政府デモが首都圏や主要道路において頻繁に発生しており,岩や木の幹を置く,タイヤを燃やすなどの方法によりバリケードを構築して通行を妨害し,それを排除しようとする国家警察及び国連部隊との衝突により興奮状態となった住民が投石等の過激行動をとる場合があり,歩行者や通行車両が混乱に巻き込まれるケースがあります。
2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)邦人被害
2013年7月~9月において,邦人被害は発生していません。
(2)強盗
2013年7月~9月の強盗事件の発生件数は32件です。2011年同時期90件,2012年同時期77件ですので,一昨年,昨年同時期に比べると減少傾向にあります。
(3)殺人
2013年7月~9月の殺人事件の発生件数は220件です。2011年同時期175件,2012年同時期249件ですので,昨年同時期に比べると減少しています。
(4)強姦
2013年7月~9月の強姦事件の発生件数は87件です。2011年同時期207件,2012年同時期148件ですので,一昨年,昨年同時期に比べると減少傾向にあります。
(5)その他事件
車上荒らしや空き巣の被害が散見されます。自動車を離れる際には,外から見える位置に荷物を置かないようにして下さい。また,外出する際には戸締まりを確認の上,お出かけ下さい。窓やガラス戸を鉄格子などで補強することで空き巣の被害に遭う可能性は低くなります。
3.テロ・爆弾事件発生状況
ハイチにおいてテロ組織は存在せず,テロ・爆弾事件も発生していません。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
(1)邦人被害
2013年7月~9月において,邦人被害は発生していません。
(2)発生件数
2013年7月~9月の誘拐事件の発生件数は13件です。2011年同時期33件,2012年同時期37件ですので,昨年同時期に比べると減少しています。
5.対日感情
対日感情は基本的に良好です。
6.日本企業の安全に係わる諸問題
日系企業の出張者及び外国企業が当地において脅迫・破壊行為等の被害を受けたという例は,現在のところ当館では把握していません。
7.外国人が被害に遭った事件・事故の事案
・7月13日午前1時30分,西県ペチョンビル市において,国連勤務の外国人女性スタッフがレストラン前に止めていた国連車両に近づこうとしたところ,何者かが女性の財布と携帯電話を奪って逃走した。
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