令和元年度対ハイチ無償資金協力「食糧援助(KR)」 署名式の実施

令和元年11月30日
 2019年11月29日,ハイチ外務・宗務省において,水野光明在ハイチ日本国大使と,ボシット・エドモン外務・宗務大臣(H. E. Mr. Bocchit EDMOND, Minister of Foreign Affairs and Worship)との間で,供与額4億円の無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換が行われました。
 
 中南米・カリブ地域のLDCであるハイチでは,労働人口の約50%が農業に従事していますが,一人当たりの耕作規模は零細です。また,同国では,農業インフラ整備の不足により農業生産性が低く,近年の食糧自給率は60%未満であり,特に主食のコメは消費量の80%が輸入によるものです。更に,度重なる自然災害により農業インフラにも影響が生じており,最近の通過グルド安によるハイチ国内の食糧価格の上昇や,度重なるデモや道路封鎖による遅配により,約367万人の人々が緊急の食糧援助を必要としていることから,食糧安全保障の強化はハイチにおける最重要課題の一つとなっています。
 
 このような状況に鑑み,同国政府から我が国に対しコメによる食糧援助の要請があったため,我が国は今回の支援において,栄養状態の改善はもとより,米の流通供給の安定,価格の安定にも資すること,また現在ハイチ政府は農業増産に向けた取り組みを推進しており,同取り組みの効果が現れるまでに必要とされる食糧供給の確保を目的として,食糧援助を実施するものです。