安全の手引き2022
目次
(2)予防こそが最良の危機管理
(3)最悪に備えるも,行動は冷静に
(4)安全のための3原則
(5)現地に早く溶け込む
(6)精神衛生と健康管理
2 最近の犯罪発生状況
(1)犯罪発生状況
(2)犯罪被害危険地域
(3)犯罪傾向
(4)日本人の被害例
3 防犯のための具体的注意事項
(1)宿泊先
(2)住居
(3)外出時
(4)その他
4 交通事情と事故対策
(1)交通事情
(2)事故対策
5 テロ・誘拐対策
(1)テロ対策
(2)誘拐対策
6 災害事情と対策
(1)災害事情
(2)災害対策
7 緊急連絡先等
(1)主要緊急連絡先
(2)警察,救急,消防等
(3)病院
(4)滞在許可
(5)観光省
(6)弁護士会
(7)簡単な緊急連絡用語(フランス語)
III 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
1 平素の準備と心構え
(1)連絡体制の整備
(2)一時避難場所及び緊急時避難先
(3)緊急事態における携行品等,非常用物資の準備
2 緊急時の行動
(1)心構え
(2)情勢の把握
(3)当大使館への通報等
(4)国外への退避
3 緊急事態に備えてのチェックリスト
(1)旅券等
(2)現金,貴金属,貯金通帳等の有価証券,クレジットカード
(3)自動車の整備等
(4)携行品の準備
※参考:当地における医薬品の携帯による持ち込み,持ち出しの手続きについて
IV 結語
I 序言
本手引きには、既に皆様が御承知のこともあるかもしれませんが、危険を事前に回避し、安心して生活するために日頃心がけておくべきこと、参考にしていただきたいことを紹介しています。
当国においては、依然として国内情勢は政治面、治安面において不安定であり、生活環境に不満を持った人々や武装集団(ギャング)による暴動や犯罪が発生する可能性が高くなっています。また、ハリケーンや地震といった災害等の際にも、当地の脆弱なインフラ環境により被害が拡大し、緊急事態となる可能性は依然排除できません。
緊急事態発生の際には、当大使館としても全力でその対応にあたりますが、そのような状況下では、各自が責任をもって自己の安全対策に万全を期するよう努力することが必要です。在留邦人の皆様におかれては、緊急時には落ち着いて対処できるよう、ご自身で安全対策を考える際の参考として本手引きを活用いただければ幸いです。
II 防犯の手引き
1 防犯の基本的な心構え
(1)自分の身は自分で守る
日本は世界でも有数の「安全国」であるため、自己防衛意識が欠如しがちです。海外では、地域によって、頼るべき治安機関があてにならないこともあり、何よりも自分と家族の安全は自分達自身で守るという強い心構えが必要です。
(2)予防こそが最良の危機管理
予防こそが最良の危機管理であることを肝に命じ、そのための努力を惜しまないようにしてください。
(3)最悪に備えるも、行動は冷静に
「備えあれば、憂いなし」、常に最悪の事態を想定し、事前に非常用食料等の準備を万全にしておく必要があります。
(4)安全のための3原則
ア 目立たない
イ 用心を怠らない
ウ 行動のパターン化を避ける
(5)現地に早く溶け込む
隣人や在留邦人等、緊急時において相互に協力できる個人や組織と安全確保のためのネットワーク作りを心がけましょう。
(6)精神衛生と健康管理
精神と身体のバランスを図ることが重要であり、適度な運動を行う等、自分なりにリラックスする方法を見つけましょう。必要なときに集中力を維持するためにも、精神と身体のバランスを保つよう留意しましょう。
2 最近の犯罪発生状況
(1)犯罪発生状況
ア 当国では、2021年7月の大統領暗殺事件に見られるよう、政治的に不安定な状況が長期化していることに加え、同年8月のハイチ南西部大地震の他、定期的にハリケーンが発生することもあり、自然災害による大きな被害が報告される傾向にあります。
イ このような社会的脆弱性を背景に、貧富格差、腐敗蔓延、治安悪化に対する不満が貧困層を中心に充満しており、こうした不満が、首都圏や主要都市における治安の更なる悪化につながることが懸念されています。
ウ このような文脈において、ハイチでは、首都圏を中心として、武装集団(ギャング)等による国籍、性別、年齢を問わない身代金目的の誘拐が多数発生しています。外国人を標的とするものや、外国人が居住するエリアにおける誘拐も見られるため注意が必要です。
エ その他、経済的問題(低賃金、燃料不足など)に起因するデモ等が発生する可能性が常にあるため、巻き込まれないように注意が必要です。
(2)犯罪被害危険地域
ア 首都圏では、
・シテ・ソレイユ(Cité soleil)市ヴァルー(Varruex)地区
・ポルトープランス(Port-au-Prince)市マルティッサン(Martissant)地区及びラサリーヌ(La saline)地区
・カルフール(Carrefour)市
・クロワデブーケ(Croix des Bouquet)市
・ペチョンビル(Petion-Ville)市ジャルジー(Jalousie)地区
・デルマ(Delmas)市一部
・ケンスコフ(Kenscoff)市ラブール(Laboule)地区及びトマッサン(Thomassin)地区
を中心に、武装集団(ギャング)などの犯罪集団が活動を展開しており、誘拐・強盗・殺人事件が多く発生しています。
イ こうした犯罪集団の活動が活発な地域に近づかないよう注意が必要です。
ウ なお、これらの犯罪発生現場は、首都圏を中心としつつも、より広範な地域に拡散してきていることにも留意ください。
(3)暴力的デモの発生
デモは首都圏や地方都市で発生しています。特に首都ポルトープランス市シャン・ド・マルス(Champs de Mars)広場周辺・カルフールアエロポート(Carrfour Aéroport)の立体交差点や空港道路はデモ隊行進の発・終着点となるケースが多く、首都圏の主要道路がとおる地点であることからも特に注意が必要です。
(4)日本人の被害例
過去には、誘拐未遂及び強盗事案が発生しています。
3 防犯のための具体的注意事項
(1)宿泊先
武装警備員が常時配置されていることや高い塀に囲まれている施設等、セキュリティ・レベルの高いところを選ぶことが推奨されます。
(2)住居
住居を選ぶ際は、周囲の環境が平穏かどうかに気を配るとともに、次の諸条件が満たされていることが推奨されます。
ア 警備員によって、出入口が常時管理されていること。
イ 出入口及び敷地内に防犯灯や照明が完備されていること。
ウ 塀の高さが2m以上で強固であること。
エ 外塀周囲に樹木・電柱などの侵入の足場になる物がないこと。
オ 外部から住居内部を容易にのぞくことができない構造になっていること。
カ 門扉は外塀と同様の強度・高さがあること。
キ 玄関扉及び扉の枠が頑丈であること(扉は鉄製が良いが、木製の場合は厚さ5cm以上の1枚板であること)。
ク 玄関扉に、2つ以上の錠前及びドアチェーンが付いていること。
ケ 玄関扉に、覗き穴、インターホン等の来訪者確認手段があること。
コ 窓及び窓枠が頑丈であること。
サ 集合住宅の場合は、侵入口になり得る窓に鉄格子が取付けてあること。
シ 独立家屋の場合は、全ての窓、換気扇及びクーラー設置部等に鉄格子が取付けてあること。
ス 避難室内には外部連絡用手段が確保されていること(寝室等に電話、携帯電話、無線機等があるかどうか)。
(3)外出時
外出時には事件に巻き込まれないよう注意すると同時に、犯罪の標的にならないようにすることが大切です。普段から以下の点を心がけてください。
ア 危険な場所には近づかないこと。
イ デモ隊に遭遇したら、速やかにその場を離れること(決して近づかず、引き返すか大きく迂回する等の退避行動をとる)。
ウ 目立たない行動及び服装をすること。
エ 貴重品や必要のない物は持ち歩かないこと。
オ 徒歩での移動は極力避け、車を利用すること。単独での移動は極力避け、特に短期滞在者の方は可能な範囲で、運転手や身辺警護員を雇うこと。
カ 夜間(日没後)の外出は極力避けること(銀行(ATM)、レストラン、スーパーマーケット等)。
キ 車両乗車時は全てのドアをロックし、窓を閉めること。
ク 駐車・停車の際は、必ずキーを抜き、ドアロックをすること。
ケ 車内に荷物を放置しないこと。
コ 単独運転はしないこと。
サ 常に強い警戒心を持つこと。
シ ATMを活用して現金を引き出す場合には、行動が読み取られやすい銀行設置のATMの使用を極力避け、ホテル内やスーパー内のATMなどで行うこと。
ス 可能な限り、身内や信頼のおける者に行動予定を事前に知らせておくこと。
(4)その他
住居の防犯設備が充実していても、防犯意識が十分でなければ有効ではありません。日常の生活の中でも常に防犯を意識するよう心がけてください。
ア 使用人は身元のしっかりしている者を雇用すること。
イ 近所等との関係は良好に保つこと。
ウ 訪問者があってもすぐには扉を開けず、のぞき窓等から身元を確認すること(親しい知人であっても、見知らぬ人が一緒の時や非常識な時刻の訪問には十分注意すること)。
エ 家族全員の安全に関する意識を徹底しておくこと。
オ 電話機は家屋内2か所以上に設置することが望ましい。また、緊急連絡先リストを作成し、家族全員で共有しておくこと。
カ 携帯電話の場合は、家族全員の携帯につき、主要緊急連絡先をあらかじめ登録しておくこと。
キ バイクタクシー・タプタプ等の公共交通機関の利用を避けること(強盗等の犯罪、法外な金額の要求、車両の安全面等の点で問題がある)。
ク 万一、誘拐や強盗等の被害に遭ってしまった場合は、絶対に抵抗せずに生命を最優先に慎重に対処すること。
4 交通事情と事故対策
(1)交通事情
ア ハイチは米国と同じく、車は左ハンドル、右側通行です。また、日本で取得した国際免許証(1年間有効)で運転することができますが、以下イの状況に鑑み、自分で運転することはお勧めできません。
イ (ア)首都ポルトープランス市内においても、大多数の交差点には信号機が設置されていません。
(イ)強引に右左折を行う車両が多数存在するなど、交通ルールは順守されておらず、運転マナー・技術も極めて悪いです。
(ウ)交通渋滞も各所で発生しています。
(エ)また、路面状態も悪く、大きな穴があいている箇所も多数存在します。
ウ 各県を結ぶ乗合バスが存在しますが、車両の整備状況が悪く、運転も荒いため交通事故が多発しております。国民の足として、乗り合いタクシー(タプタプ)やバイクタクシーがありますが、スリや誘拐等の犯罪が多いため、利用は控えてください。当地においては、ウーバー(Uber)等の配車サービスはありませんので、御注意ください。
(2)事故対策
ア 交通事故で大きな怪我を負ってしまうと、当国では満足な治療を受けることが極めて困難です。また、事故を起こした際は、加害者が野次馬に集団暴行を受けることもあり得るため、必ず近くの警察官に知らせ、自身の身の安全確保を優先してください。
(注:道交法上は、事故を起こしたら、被害者を助け、もし困難な場合には最寄りの警察に速やかに届けることとなっています。)
イ 事故に巻き込まれないためにも次の点を心がけてください。
(ア)地理に精通した者に運転を依頼、または同乗させること。インターネット上の地図は比較的利用できるレベルのものがあり、訪問先についてはなるべく事前に地図で確認を行っておくこと。
(イ)交通マナーを守ること。
(ウ)周囲に注意を払い、ほかの交通(車両、歩行者等)の特性、動きを良く見極めること。
(エ)普段から車両の整備、点検を十分に行うこと。
(オ)交通事故を起こし、負傷者がいる場合は、救急措置が可能であれば実施の上、直ちに救急車を呼ぶこと(救急の際の連絡先は後述。)。事故が発生した場合には、加害者、被害者の如何を問わず責任の所在を明確にするため警察官の立ち会いを求め、事故調書を作成してもらうこと。ただし、事故の加害者がハイチ人の場合、自己負担を強いられることも多いので、示談の際は修理費用などを文書で確認しておくこと。
5 テロ・誘拐対策
(1)テロ対策
当国においては、現時点で、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)をはじめとするイスラム過激派や国際的なテロ組織の存在は確認されておりません。
(2)誘拐対策
ア 当国の国連ハイチ統合事務所(BINUH)による報告によれば、2022年ハイチ全土で少なくとも1,359件の誘拐事件が発生したとされており、また、誘拐事件の数は、近年、急激に増加する傾向にあります
イ このため、外出の際は細心の注意が必要です。以下のことに十分注意して被害の未然防止に努めてください。また、不幸にして人質等になってしまった場合は犯人の指示に逆らうことなく慎重に対処してください。
外務省海外安全ホームページ「海外安全パンフレット・資料、海外における脅迫・誘拐対策Q&A」(https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html)も御参照ください。
(ア) 目立たない
まずは、被害の標的とされないように心掛けることが最重要ポイントです。不必要に目立つ服装や行動は避け、誘拐の対象とならないよう注意を払ってください。
(イ) 用心を怠らない
強い警戒心を持ち、周囲に気を配ることで、相手が犯行を思いとどまる可能性もあります。相手に付け入る隙を与えないようにしてください。
(ウ) 行動を予知されない
誘拐を成功させるためには、通常犯人側も事前に綿密な調査を行うものです。通勤時間、経路、場所等、パターン化した行動は犯人側にとって計画を立てやすく危険であるため、時間を変更したり、同じ場所に行く場合でも複数の経路を使うなど、工夫を凝らした行動を心掛けるとともに、行動予定を不用意に他人には知らせないようにしてください。
6 災害事情と対策
(1)災害事情ア ハリケーン
当国はハリケーンの通過地域に位置しており、防災インフラが脆弱なこともあり、ハリケーンに起因する数多くの災害が報告されています。また、当国では、乱伐の結果、国土面積における森林の占める割合は極めて低くなっており、大雨が降ると大規模な洪水が起こる可能性が高いことから、平素から災害に備えた心構えと準備が必要です。
なお、最近のハリケーンによる災害事例は以下のとおりです。
(ア)2008年8月~9月、ハイチ北部のアルチボニット県(ゴナイーヴ市)を中心に全土を襲ったハリケーン「フェイ」、「グスタフ」、「ハンナ」、「アイク」による暴風及び豪雨の影響から河川が氾濫し、死亡・行方不明者だけでも1,000人以上と、甚大な被害が発生しました。
また、2012年10月にはハリケーン「サンディ」の影響によりハイチ全土で52人の死者が出るなど、ハリケーン襲来のたびに多くの犠牲者を出しています。
(イ)2016年10月4日から5日にかけて、ハリケーン「マシュー」により、多くの市街地、農地、森林、橋及び主要幹線道路が、浸水や破損等の甚大な被害を受け、ハイチ全土で546人の死者が出るなど多くの犠牲者を出しています。
また、災害後は各国の援助が行われるなか、支援物資の略奪や物資輸送車両への襲撃等の事件が発生し、衛生上の問題によりコレラ感染疑いが5,000件を超える等の問題も発生しました。
(ウ)2017年9月、ハリケーン「イルマ」、「マリア」の直撃はなかったものの暴雨及び豪雨の影響が主に北部で広範囲に発生しました。
(エ)2020年8月23日、トロピカルストーム「ローラ」がハイチ中央県を通過し、死者9名・行方不明者2名・全壊家屋7棟を出す被害が発生しました。
イ 地震
当国では、2010年以降、大規模なものを含む数多くの地震が発生しています。国としての防災インフラが脆弱なこともあり、平素から災害に備えた心構えと準備が必要です。なお、最近の大規模な地震の事例は以下のとおりです。
(ア)2010年1月12日、マグニチュード7.0の地震が発生し、30万人以上が死亡し、震災直後には食糧等を求めた略奪等が多発するなど大変危険な状況が続きました。
(イ)2018年10月6日、北西県ポール・ド・ペ(Port-de-Paix)においてマグニチュード5.9の地震が発生し、死傷者や住居等の倒壊を含む甚大な被害が発生しました。
当国では建造物が脆弱であり、施設滞在時や住居選定時は可能な範囲で耐震面への考慮が必要です。
(ウ)2021年8月14日、南西部においてマグニチュード7.2の地震が発生し、負傷者は約12,000人、死者は2,200人を越え、多数の家屋が損壊もしくは全壊しました。
(2)災害対策
自然災害を予防することは困難ですが、いち早く避難することにより被害を最小限に抑えることは可能です。以下の点を心がけてください。
ア インターネット、テレビ、ラジオ、新聞等で気象情報を把握する。
イ 周囲の地理(海岸、崖、山の斜面、立木等の有無等)について確認しておく。
ウ 滞在している場所の建物の構造、家屋内の構造について確認しておく。
エ 避難時に必要な物品(貴重品、食料、懐中電灯、ラジオ等)は整理して準備しておく。
オ 大地震発生の際には、自身や周りの方の安全確保を最優先とし、火の始末や避難経路の確保をしつつ、決して海辺・川べり・崖・狭い路地などに近づかない。
7 緊急連絡先等
(1)主要緊急連絡先(国番号+509)
ア 在ハイチ日本国大使館
■住所:AMBASSADE DU JAPON、Hexagone 2F、Angle Rues Clerveaux et Darguin、Petion-Ville、HAITI
■電話:2256-5885/3333
■携帯電話:3486-6992、4647-5404
※携帯電話は、16時45分~08時15分の緊急時のみの対応。
■在外公館ホームページ:http://www.ht.emb-japan.go.jp/j/
イ 外務本省
(ア)外務省領事サービスセンター
■住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
■電話::(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(イ)外務省関係課室連絡先
I 領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2851
II 領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
III 領事局政策課(海外医療情報)(内線)2333
IV 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(2)警察、救急、消防等
ア 警察:日本の110番通報に相当する「オペレーション情報センター(Centre de Renseignements et d'Opérations:CRO)」あるいは事案の発生した地域を所轄する警察署への直接の連絡が可能です。この観点からは、ご自身の行動・移動範囲を所管する警察署の連絡先を予め確認しておくことが望まれます。なお、以下では、大使館付近の地域を所管する警察署の電話番号を記載してあります。
■3838-1111(CRO)
■3832-1111(ペチョンビル警察署)
■3824-1111(デルマ33警察署)
イ 救急
■116
■3333-4376(Hero:有料の救急配車会社)
ウ 消防
■3838-1111(CRO)
(3)病院
ア ベルナール・ムブズ病院(Bernard Mevs)
■住所:Boulevard Toussaint Louverture、entrée village Solidarité、Port-au-Prince、Haiti
■電話 :2813-0659(緊急)3701-8901
イ カナペベール病院(Hopital de Canape Vert)
■住所:83、Route du Canapé Vert、Port-au-Prince、Haiti
■電話:2812-0505(緊急)2813-7495
※別途医師の手配が必要
ウ クリニックランベールサンテ(Clinique Lambert Santé)
■住所:75 Rue Lambert, Pétion-Ville、Haiti
■電話:3706-8306(緊急)3702-3646
(4)滞在許可
入国移民局(Bureau de L’immigration):3849-1599
※入国査証については、日本国籍者の場合、90日以内の観光目的であって、ハイチから出国するための予約済み航空券を所持する方は必要ありません。ただし、入国時の旅券残存期間が6か月以上あることが必要です。なお、無査証での入国後、滞在期間が90日を超過する場合には、ハイチの入国移民局へ申請する必要があります。
(5)観光省(Ministere de Tourisme):2816-3203
(6)弁護士会(Barreau de Port-au-Prince):4684-6606
(7)簡単な緊急連絡用語(フランス語)
「泥棒」 Au voleur (オ・ヴォルール)
「助けて」 Au secours (オ・スクール)
「火事だ」 Au feu (オ・フー)
「警察を呼んでくれ」 Appelez la police(アプレ・ラ・ポリス)
III 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
1 平素の準備と心構え
(1)連絡体制の整備ア (ア)3か月以上ハイチに滞在される方は必ず在留届を提出するようお願いいたします。また、記載事項に変更が生じた場合(住所、電話番号の変更を含む)及び帰国の際にもその旨をお伝えください。
(イ)在留届の提出には外務省HP経由でORRネットでの手続きをお勧めします。在留届電子届出システム(ORRネットの登録: http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )により登録できます。
イ 3か月未満の場合は「たびレジ」に登録してください。(たびレジの登録: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )渡航先の最新安全情報や、緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができます。また、家族や友人、職場等に日程や渡航先での滞在先や連絡先を伝えておくようにしてください。
ウ 緊急事態発生の際には、当大使館より情報を提供するとともに必要な案内・助言を行います。
(2)一時避難場所及び緊急時避難先
ア 一時避難場所の検討
騒乱等に巻き込まれる可能性がある時は、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し危険な場所に近づかないよう心がけてください。巻き込まれそうになった場合の取りあえずの避難場所(勤務先、通勤通学路上のホテル及び自宅等、比較的安全と考えられる建物)について、常日頃から頭に入れておくことが重要であり、自分がどこにいるか、自分がどのような事態に巻き込まれそうか等幾つかのケースをあらかじめ想定して各自の一時退避場所を検討しておいてください(外部との連絡が可能な場所が望ましい)。
イ 緊急時避難先
当大使館への集結(または状況に応じ近隣において比較的安全と考慮される場所等)を案内することがあります。当大使館の位置を確認し、そこに至るルート、外出先での緊急時の避難場所について幾つかのケースを想定し、検討しておいてください。
(3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
ア 旅券、現金(アメリカドル及びハイチグルド)、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるようあらかじめまとめて保管しておいてください。
イ 緊急時には一定期間自宅での待機を案内することもありますので、飲料水、非常用食糧、医薬品、燃料等を最低限10日分、そしてFMラジオを準備しておいてください。
2 緊急時の行動
(1)心構え緊急事態発生時または発生する恐れのある場合に、当大使館は邦人保護に万全を期すため、情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い随時連絡いたします。流言飛語(ハイチでは時々あります。)に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう注意してください。
(2)情勢の把握
ア 当大使館からの連絡は、基本的に電話、Eメール及びその他の通信アプリWhatsAppを用います。
イ 緊急事態発生の際には、ラジオ、テレビ等による情報収集を各自心がけてください。
※なお、当館より当地ラジオ局ラジオメトロポール(FM100.1MHz)及びNHK海外放送等に緊急放送の依頼をする場合もあります。
(3)当大使館への通報等
ア 現場の状況を通報する必要があると感じたら、随時、当大使館に直接
通報してください。ほかの邦人の方への貴重な情報となります。
イ 自分や家族、他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶか、又は及ぶ恐れがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当大使館にお知らせください。
ウ 緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることも必要になります。そのため、状況によっては、当大使館より在留邦人の方々にも種々の助力をお願いすることもありますので御協力いただけますようお願いいたします。
(4)国外への退避
ア 事態が悪化し、各自の判断等により、あるいは当大使館の勧告により帰国または第三国へ退避する場合、その旨を当大使館へお知らせください(当大使館への連絡が困難である場合は、日本の外務省領事局等へ通報するようお願いいたします。)。
外務省領事局 海外邦人安全課 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2851 (直通)03-5501-8160 |
(イ)なお、一般商業便の運行が停止した場合、あるいは座席の確保が著しく困難となった場合等にはチャーター便や各国の救援機(これらの利用に当たっては通常は片道料金の支払いが必要となります。但し、後払いが可能な場合もあります)、状況によっては、陸路あるいは海路を利用した退避が必要となることもあり得ますので、当大使館からの連絡・案内を参考に行動してください。
ウ 事態が切迫し、当大使館より退避または避難のための集結を案内した場合には、緊急時避難先(当大使館等)に集結してください。その際、しばらくの間同避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、可能であれば上記1(3)の貴重品及び非常用物資を持参するようお願いします。また、緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にするようお願いします。
3 緊急事態に備えてのチェックリスト
(1)旅券等旅券については常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください(6か月以下の場合には当大使館に再発給の申請をしてください)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください(下段に血液型(blood type)「何型RH±」と記入しておいてください)。なお、当国における外国人登録証明書、滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。
- < >https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
カ ラジオ
FM放送(首都圏に限る)及び可能ならばNHK海外放送等の短波放送が受信できるもの(電池の予備も忘れないようにしてください)。周波数や受信方法については、NHKホームページ
(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/radio/howto/)
を御参照下さい。
放送時間
(日本語):ハイチ時間21:00-23:00(※夏時間22:00-00:00)
周波数:6105KHz(フランス中継局)
(スペイン語):ハイチ時間23:00-23:30(※夏時間00:00-00:30)
周波数:5985KHz(アメリカ中継局)
キ その他
4 その他:当地における緊急事態事案例
(1)2004年2月、反政府武装勢力の侵攻が首都近くまで迫って来たため、当大使館も一時閉鎖の上、全館員が退避。
(2)2008年4月、食料価格高騰に起因する暴動により全館員の退避を検討。
(3)2010年1月12日の大震災の際には、その影響により日本大使館建物が被害を受け、一部の在留邦人について緊急退避を実施。
(4)2018年7月、燃料費等の値上げが公表されたことによる国民の反発により、首都圏ほかにおいて一時大規模な抗議行動(広範囲に渡る道路封鎖や略奪行為)が発生し、大使館を臨時閉館。
(5)2019年2月、大統領就任2周年に合わせた反政府デモ参加者等の暴徒化、略奪行為、ロードブロック、投石、放火、治安部隊との衝突などの暴力行為が発生し、大使館を臨時閉館。
(6)2019年6月、ペトロカリベ基金流用疑惑等に抗議する運動「ペトロカリベ・チャレンジ」に関連したデモ等により、反政府デモ参加者等の暴徒化、略奪行為、ロードブロック、投石、放火、治安部隊との衝突などの暴力行為が発生し、大使館を臨時閉館。
(7)2019年9月、モイーズ大統領の辞任要求と燃料不足への不満を新たな理由としたデモ等により、反政府デモ参加者等の暴徒化、略奪行為、ロードブロック、投石、放火、治安部隊との衝突などの暴力行為が発生し、大使館を臨時閉館。
(8)2021年7月、故モイーズ大統領の暗殺事件に伴い政情不安になり治安状況が悪化した影響で大使館を臨時閉館。
(9)2022年10月、在ハイチ日本国大使館は、現地の治安・人道状況の急速な不安定化を受けて、現地時間10月23日をもって一時閉館し、ドミニカ共和国に臨時事務所を設置。
IV 結語
本手引きに記載された内容は、あくまでも基本的な指針ですので、自分自身で安全対策に関して本手引きを参考に再度御検討ください。自ら必要と考える情報を積極的に入手する心構えを大切にし、継続的に情報を確認していくことで、些細な変化にも気づくことが出来るようになります。
今後、本手引きを充実したものにしていくために、御意見等ございましたら些細なことでも構いませんので、遠慮無く大使館まで御連絡いただけましたら幸いです。